看護師が重症心身障害児(者)施設で働く大きなメリットは、非言語のコミュニケーション能力を身につけられることにあります。現場では、意思疎通が難しい障がいを持った方々のケアにあたるため、高い観察力や洞察力を身に付けることができます。また、自力で生活できない入所者が多いため、生活補助のスキルもしっかりと習得できるでしょう。障がいを持つ方の食事介助・排泄介助といった日常生活のサポートに携わった経験は、看護師として他の職場に転職する場合にも大いに役立てることが可能です。
そして、障がいを持っている人との関わりが今まで少なかった人は、障がい者への考えが変わり、視野が広がる可能性が高いです。はじめの内は、障がい者との関わり方が難しく、これまでの経験が通用しないことも多々あるでしょう。その時は思い通りにいかず、大変な状況に何度も直面するかと思います。しかしそれを乗り越えた先には、柔軟性が備わり、新しい考え方もできるようになり、飛躍的な成長につながるはずです。
働き方という面では、病棟で働く看護師よりも、休憩や休みをしっかり取れる傾向にあります。夜勤がなく自宅待機で緊急時に職場に行くオンコール対応がメインであるため、プライベートを大切にしたい人にもおすすめです。加えて、重症心身障害児(者)施設では、入居者と密接にコミュニケーションを取るシーンが多くなります。意思疎通が難しい人と接する機会が増えるため、むしろ看護師側から積極的にコミュニケーションを取らなければならなくなります。日々の業務に追われて、人とあまり関われない職場に抵抗感を抱いている人は、大きなやりがいを感じられるでしょう。そんな職場に関心を持っている方は、ぜひ重症心身障害児(者)施設の現場を詳しく調べてみてください。